健康チェック

健康な時には意識しませんが、人の体や心、どのようなところのどのような障がいや病気でもひとたび具合が悪くなればとてもつらいものです。病気はその検査や治療の間、患者さん本人にとっても家族にとっても負担になります。できれば病状の軽いうちに早期発見・早期治療したいものです。

「受診のご案内」に続いて、耳鼻咽喉科でよくある病気についてご案内します。主な症状ですが、チェックしてみてください。ありえる症状と病名を分かりやすいように各5項目を挙げました。考えられる疾患を挙げていますが、あくまで参考までにしてください。病気の詳しいことはリンク集の各医療機関のホームページで調べることができます。そして、気になることがあれば自己診断されないで早めの受診をお勧めします。

難聴

nancho耳の異常は比較的早くから気付きます。しかし、音の種類によっては聞こえなくなっても判らないこともあり、何か耳につまったように感じるだけのこともあります。原因は様々で騒音、ストレス、他の病気や薬の影響によることもあって、診断は慎重にします。

チェック

何の病気?

  • 加齢性(老人性)難聴?
  • 耳あか(耳垢栓塞)? 急性低音性難聴?
  • 突発性難聴?
  • メニエール病? 聴神経腫瘍?
  • 急性中耳炎?  耳管狭さく症? しんしゅつ性中耳炎?

めまい

memai「めまい(眩暈)」は字のごとく目がくらんで体や周りがグルグル回る感覚で非常につらいものです。しばらくして治まることもありますが、ふらつき感や耳鳴り、吐き気なども続くことがあって日常生活が普通にできません。主な原因は内耳の異常によることが多いものの、原因が分からないことも多く、検査と治療も長引くことがあり、早めの専門医の診察が大事です。ときには小脳梗塞などの重大な原因で起こることもあります。

チェック

何の病気?

  • メニエール病?
  • 良性発作性頭位めまい症?
  • 前庭神経炎?
  • 中枢性? 脳神経疾患? 頚性(頚椎、椎骨動脈)?
  • 自律神経性めまい?

鼻炎、鼻水・・・

bien鼻は吸い込む空気を加湿して、ごみを取り除くために常に粘液で湿っています。鼻水そのものは生理的なのですが、何かの原因で異常に分泌されてしまいます。鼻水が止まらないと、仕事も勉強も集中できません。

チェック

何の病気?

  • 慢性鼻炎? 副鼻腔炎? アレルギー性鼻炎?
  • 通年性アレルギー性鼻炎? (ダニ、花粉、ペット、カビ?)
  • アレルギー性鼻炎? 
  • 血管運動性鼻炎?
  • 気管支喘息?

鼻づまり

hanazumari風邪ひきのとき、鼻水や咳とともにあたりまえに見られる症状です。
花粉症でも一般的です。ところが、長引くときは原因を調べて対応が望ましいでしょう。まずは病気に応じて処置や薬で治療しますが、手術が必要なことも結構あります。

チェック

何の病気?

  • 急性副鼻腔炎?
  • アレルギー性鼻炎(通年性、スギ・ヒノキの他の花粉症)?
  • 慢性副鼻腔炎・鼻茸(はなたけ)
  • 好酸球性副鼻腔炎?
  • 鼻腔腫瘍?

のどの痛み

nodo風邪ひきやへんとう炎のとき、つばを飲むのもつらいことです。すぐにひかない痛みには何か特別の原因もありそうです。我慢しないで専門家に器械でのどを診てもらいましょう。急ぐ処置や入院が必要なこともあります。また、一方であまり痛みの感じないのどの疾患もあります。

チェック

何の病気?

  • 感冒(風邪)? 咽頭炎? 扁桃(腺)炎? インフルエンザ? 
  • 扁桃周囲膿瘍(のうよう)
  • 急性喉頭蓋炎(こうとうがいえん)
  • 口内炎? 口腔カンジダ症? クラミジア咽頭炎?
  • 咽頭腫瘍?

声がれ、かすれ声

人は会話、掛け声、歌などで声を出せることはあたりまえになっています。
しかし、動物も鳴き声は出せますが、発声は人間に与えられた特殊なわざと仕組みです。会話でコミュニケーションをはかり、仕事したり歌ったりと、自分の意思や感情を表現できます。この声が出せないこともつらい症状です。ほとんど喉頭と声帯の異常が原因ですが、のど以外の原因で起こることもあります。

チェック

何の病気?

  • 急性声帯炎?
  • 声帯ポリープ? 声帯結節?
  • 喉頭癌?
  • 声帯萎縮? 声帯溝症?
  • 甲状腺腫瘍?

首のしこり、腫れ

くび(頸部)は頭部と体をつなぐとても大事な部位で、重要な器官があります。気管、食道、血管、筋肉、神経、リンパ管、甲状腺、唾液腺などです。ここに「しこり」ができるのはこれらの器官・臓器からの原因が一番に考えられます。はたしてどこが原因で、何なのか? 診察と検査が必要です。良性ならばしばらくは経過を見ますが、悪性が疑われたら即日検査(紹介)をします。腫瘍が原因の場合もあって、年齢にもよりますが、首以外の肺や胃など全身から腫瘍の転移もあります。

チェック

何の病気?

  • 先天性腫瘤(正中頸のう胞など)?
  • 唾液腺炎(耳下腺炎、顎下腺炎)? リンパ節炎?
  • 唾液腺炎? 唾石?
  • 悪性リンパ腫?
  • 腫瘍のリンパ節転移?

のどの異常感

nodo2のどは、細菌やウィルスをとらえ、異物や有害物質を感知する敏感なところです。すぐ「えずく」のも異物を排除する反射があるからです。ふつう異常があるときには咳や痛みを伴いますが、痛みのあまりない病気もあります。

チェック

何の病気?

  • 慢性咽喉頭炎? 慢性扁桃炎
  • 咽喉頭異常感症? 神経症?
  • 薬剤性? 口腔乾燥症?
  • 胃食道逆流症?
  • (早期の)腫瘍?

味覚・嗅覚(きゅうかく)異常

人は日常、いわゆる五感を駆使して、ものを見て音を聞いて触って食事をして生活しています。しかし、生活の根本である臭いと味の感覚はさほど意識されていません。食物などが好ましいものか、食べられるか否かを判断する原始的な感覚なので、現代人は少し鈍くなってきています。プロの料理人やソムリエさんたちには研ぎ澄まされている感覚でしょうが、嗅覚では犬にはかないません。この異常もつらいものです。

チェック

何の病気?

  • 特発性嗅覚脱失?
  • 慢性副鼻腔炎? 好酸球性副鼻腔炎?
  • 亜鉛欠乏症?
  • 薬剤性? 貧血症?
  • 糖尿病? 口腔乾燥症?

耳あか

mimiaka病気ではありませんが、耳あかと耳掃除の相談や、その後の治療が必要なことも結構あります。赤ちゃんからお年寄りまで誰でも耳あかはたまります。湿性と乾性、いわゆるネバネバとカサカサのタイプがありますが、これは体質で決まります。耳あかそのものは皮膚の老廃物やその皮膚を守る粘液分泌物ですので無害です。ですから耳掃除をするのも入り口をほどほどにするくらいで構いません。ただし、掻きすぎて傷をしたり、全く耳掃除をしないのも時には治療が必要になることもあります。

チェック

何の病気?

  • 正常? 外耳炎? 外耳道湿疹?
  • 耳垢栓塞(じこうせんそく)? 耳管狭さく症? 低音性感音性難聴?
  • 耳垢栓塞? 加齢性難聴?
  • 慢性中耳炎? 真珠種(再発)? 術後耳?
  • 真珠種? 外耳道腫瘍?